キャリアの方向性が二極化する現状

高齢化に伴い、介護の需要が急上昇してきた頃には、まだ介護士のキャリアに関する考え方が浸透していませんでした。現場で働く介護士の数がそもそも足りず、何とかして確保することが重視されてきたからです。

しかし、今では組織化、体系化を進めて効率的に働けるようにして、利用者が満足いく介護サービスを提供する必要が生じてきました。国としても介護士のキャリア形成を推進しており、合理的かつ効率的な介護サービスを行える体制を整えようとする動きが強まっています。事実、介護士が介護福祉士を目指すことが推奨されていますが、必ずしも誰もが資格取得を目指しているわけではありません。

介護福祉士の資格を取るのが大変であるのも理由の一つですが、むしろ今まで気軽に働くことができていたため、同じ状況を維持したいという人たちも実際のところ大勢います。特にパートで働いていた人たちは、長年働いていたとしても、介護福祉士になって現場を牽引する責任のある立場にはなりたくないと考える傾向があります。

一方で、国の奨励に従ってキャリアアップを目指す介護士もだんだんと増えてきました。施設でも介護福祉士の資格取得を支援して、手厚い手当を出したりするケースが目立っています。このように、介護士のキャリアに対する考え方は二極化が進んでいるのが現状です。どちらも現場では必要とされていることに変わりはないため、自分の希望するキャリアをよく検討することが重要です。